エッセー

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《作品》

迷惑なカタカナ語

高南緑寿会 テルー

ちゃんとした日本語があるのに、どうしてカタカナ語を使うのか。折角かっこよくカタカナ語を使っても、どうも話の内容にミスマッチしている場合が多いようで。(あ、これもカタカナ語だった。失礼)10月下旬の朝日新聞に「カタカナ語分からん/広報紙に苦情」「役所言葉に翻訳本」「杉並区が編集/人気呼び増刷」という記事が載っていた。この「杉並区」という言葉から思い出したことがある。今年の春「杉いき連」の会長さんを集めた会合でのこと。区の担当者が「お手元のレジメに従って・・・」と説明を始めた。とそのとき、「レジメって何ですか。日本語を使ってください」と苦情がでた。その通り「概要」とか「要約」という言葉があるのに、それを使えないとすれば国語の勉強不足も甚だしい。

大体「カタカナ語」はいい加減である。同じ「strike」という言葉も、野球では「ストライク」と呼び、労働争議の時は「ストライキ」と呼ぶ。「ク」を「キ」と発音する例はまだまだ沢山ある。ケーキ、ステッキ、エキストラ・・・。うんと昔はインクをインキ、Xをエッキスと呼んでいたような気がする。ある時知り合いの小母さんが、きれいな革製のカバンをチラチラさせていたので、「すばらしいレザーバッグですね」と褒めたつもりで言ったのが(キザで)悪かった。「これは本革ですよ!」とたしなめられた。この小母さんにとって、レザーとはナイロンなどの合成皮革のことで、本来の「皮」という概念は全然ないらしい。

トレイ(皿)とトイレとの取り間違えをタネにした笑い話が沢山ある。ほんとに紛らわしい。大抵の場合はわざわざトレイなどと言わなくても、「サラ」といった方が何倍も簡単でわかりやすい。ただし、トイレの方はカタカナ語で使わせてほしい。これを便所といってしまうと、そのあと必ず手を洗わなければならないような重苦しさがある。

最近はトラウマ・アーカイブ・スキーム・ニッチ・ユビキタス・コラボレーション・コンテンツ・・・・と、次から次へと忙しい。コンピュータ関連からきた言葉はもともと日本語で使われなかったものが多く、下手に訳されるとかえって分かりにくく、不正確になるので、こちらで慣れるより仕方がないが、日常の生活の場では、是非日本語を使ってもらいたい。

 

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